屋根カバー工法の適切な時期とは?築年数から考える最適なタイミング

2025.2.26

こんにちは!高知市の外壁塗装&屋根塗装専門店の今村塗装店です。

今回は、築年数から考える屋根カバー工法の最適なタイミングについて解説させていただきます。

 

屋根は家を守る重要な部分ですが、経年劣化は避けられません。

今回は屋根カバー工法を検討する最適な時期について、築年数を基準に解説します。

特に2000年代初頭に製造されたスレート屋根にお住まいの方は必見です。

 

 

屋根カバー工法とは?

 


 

 

 

屋根カバー工法は、既存の屋根材の上に新しい屋根材を重ねる工法です。

既存の屋根を撤去しないため、廃材処理費用が削減でき、工期も短縮できるメリットがあります。

一方で、下地の状態によっては適さないケースもあります。

 

 

築年数別:屋根カバー工法の適否

 


 

■築10年未満の場合

 

築10年も経っていない比較的新しい屋根に対して屋根カバー工法を行うことは、経済的には決して効率的とは言えません。

基本的に新築から10年程度であれば、屋根材自体はまだ十分な耐久性を保っているはずだからです。

 

 

 

■築20年前後の場合

 

最近、築20年前後の住宅で屋根カバー工法を選択されるケースが増加しています。

その背景には特定の時期に製造されたスレート屋根材の問題があります。

 

2000年代初頭のスレート屋根の特徴

 

 

2000年代前半は、アスベスト(石綿)規制直後の時期にあたります。

 

アスベスト(石綿)とは、耐火性、耐熱性、絶縁性に優れた天然の繊維状鉱物です。

これらの優れた特性から、かつては建築材料として広く使用されていました。

屋根材においても、耐久性が非常に高く、防火性にも優れ、価格も安価なことから、アスベストが使用されてきました。

 

しかし、アスベストは極めて細かい繊維が空気中に飛散すると、吸引した人の肺に蓄積され、数十年後に肺がんや中皮腫などの深刻な健康被害を引き起こすことが明らかになりました。

 

 

 

このことから、日本では段階的にアスベストの使用規制が進められてきました

特に2000年代初頭は、アスベスト規制が強化される過渡期であり、製造技術の移行期でもありました。

この時期に製造されたスレート屋根材は、アスベストを使用せずに代替材料を用いた初期の製品であったため、品質面での課題が多く見られるようになりました。

 

従来のアスベスト含有スレートと比較して、以下のような問題点があります。

 

劣化スピードが早い傾向がある。

割れなどの不具合が生じやすい。

塗装ができない。

 

 

この時期のスレート屋根に塗装を行おうとしても、経年劣化によって素材自体が脆くなっているため、仮に塗装を施しても塗膜の耐久性は極めて低くなります。

このため、メンテナンスとしての塗装の費用対効果が著しく低くなります。

 

また、塗装工事を行う際には職人が屋根の上を歩行したり、高圧洗浄機を使用したりするため、屋根に一定の荷重や振動がかかります。

この時期のスレートは経年劣化により非常に脆くなっているため、塗装作業中の荷重や振動によって屋根材が割れたり、さらなる損傷が生じたりするリスクが高いのです。

 

 

 

結果として、塗装工事自体が新たな屋根の損傷を引き起こす原因となることもあります。

 

 

こうした理由から、2000年代初頭のスレート屋根では塗装よりも屋根カバー工法など、根本的な対策が必要となるケースが多いのです。

 

 

 

■築30年以上の場合

 

築30年以上経過した屋根には、アスベストが含まれているスレートが使用されていることが多いです。

アスベスト含有スレート自体は非常に丈夫で長持ちする特性がありますが、この時期で重要なのは屋根下地の状態です。

この屋根下地を野地板(のじいた)と呼びます。

 

 

野地板とは

 

 

野地板とは、屋根材を構造的に支える木の板で、屋根全面に貼られています。

屋根材自体が丈夫でも、この野地板が傷むと屋根全体の耐久性が低下します。

 

ポイント:  築30年以上経過している場合は、屋根下地の野地板が傷む前に屋根カバー工法を行うことが重要です。

 

 

 

■築40年以上の場合

 

築40年以上経過している建物は、多くが旧耐震基準に基づいて建築されています。

そのため

 

耐震性能に不安がある

屋根下地の経年劣化が進行している可能性が高い

 

このような状況では、屋根カバー工法はお勧めできません。

より根本的な改修や建て替えの検討が必要かもしれません。

 

 

屋根カバー工法成功のポイント

 


 

■事前の確認が必須

 

屋根カバー工法を検討する際には、以下の点が重要です。

1.そもそも屋根カバー工法が適用可能かどうか

2.工事後、どのくらいの期間屋根が維持できるか

 

 

■よくある失敗例

屋根カバー工法でよくある失敗は、野地板がすでに劣化している状態でカバー工法を行ってしまうことです。

野地板の痛みが進行していると

 

・屋根材が風で剥がれやすくなる

・新しく設置した屋根材の寿命も短くなる

 

こういった失敗に繋がる恐れがあります。

 

 

まとめ:適切な屋根カバー工法のタイミング

 


 

・築10年未満: 基本的には不要

・築20年前後(特に2000年代初頭のスレート): 定期的な点検と早めの対応を

築30年以上: 野地板の状態を確認し、傷む前に検討を

・築40年以上: カバー工法より根本的な改修を検討

 

 

定期的な点検と適切な時期での対応が、住まいを長持ちさせる秘訣です。

特にアスベスト規制後に製造されたスレート屋根は、日頃からの点検を心がけ、少しでも不具合を感じたら、ぜひ今村塗装店までご相談ください。

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