まずは、施工前の状況をお伝えします。
外壁全体にチョーキング現象が発生し、触れると粉が手に付く状態でした。
チョーキング現象とは、塗膜が紫外線の影響で劣化し、塗料に含まれる顔料が粉状になって表面に浮き出てくる状態です。
この症状が出始めると、塗膜の防水性能が著しく低下し、外壁材の劣化を早めてしまう原因となります!
また、外壁目地のシーリング材が劣化して硬化し、一部では剥がれも見られました。
シーリング材は建物の気密性や防水性を保つ重要な役割を担っています。
劣化したまま放置すると雨水が建物内部に侵入し、構造材の腐食やカビの発生など、深刻な事態を引き起こす可能性があります。
さらに、ベランダ腰壁のサイディングにも著しい劣化が見られ、内部への雨水浸入によってひび割れやコケの発生が多数確認されました。
このような状態では単なる塗装では対応できず、サイディング自体の張替えが必要な状況でした。
安全な作業環境を確保するため、建物全周に足場を設置しました。
足場は単なる作業スペースではなく、塗料の飛散防止や転落防止など、工事における安全確保に不可欠な仮設物です。
また足場組立時には騒音でご迷惑をおかけしますので、ご近所様へのご挨拶も欠かしません。
今回も工事についてご説明させていただき、皆様にご理解いただけました♪
長年の汚れやコケを落とすため、外壁全体を高圧洗浄で綺麗に洗い流していきました。
高圧洗浄は単に汚れを落とすだけでなく、塗装の密着性を高めるための重要な下地処理工程です!
外壁目地の古いシーリング材を専用工具で丁寧に撤去し、新しく高耐久シーリング材「シャーピーDrySara」を充填していきました。
この製品の一番の特徴は、耐用年数20年の超高耐久性です。
また建物の動きに追従する高い伸縮性があり、施工後の汚れも付きにくい設計となっています。
シーリング工事は見落としがちですが、建物の防水性能を左右する重要な工程です。
外壁の一番の弱点であるシーリング部分、特に丁寧な施工を行います。
下地処理が完了したら、いよいよ塗装工事の開始です!
今回はスズカファインの「ビーズコートF」を使用しました。
この塗料はハスの葉構造を応用した超撥水機能を持ち、雨水が玉のように転がり落ちる特徴があります。
そのため汚れが付きにくく、カビや藻の発生も抑制できるため、美観を長期間保持することができます。
さらにフッ素樹脂を配合することで高い耐候性を実現し、紫外線による劣化を防ぎ、10年以上の耐久性を発揮します。
塗装は下塗り→中塗り→上塗りの3回塗りで丁寧に仕上げていきました。
爽やかな薄い黄色で外壁を仕上げることで、明るく開放感のある外観に生まれ変わりました♪
建物の印象を大きく左右する付帯部分も、適材適所の塗料を選定して丁寧に塗装を行いました。
軒天には関西ペイントの「アレス水性ワイドグリップ」を使用しています。
この塗料は優れた付着性を持ち、高い防カビ性能も備えています。さらに透湿性があることで結露を防止する効果も期待できます。
その他の付帯部には関西ペイントの「コスモマイルドシリコンⅡ」を採用しました。
シリコン樹脂を配合することで高い耐候性を実現し、優れた付着性と隠ぺい性も兼ね備えています。
汚れにくい特性により、美観を長期にわたって保持することができます。
ベランダ腰壁は大がかりな工事となりましたが、両面からサイディングを完全に張り替えることで、より確実な改修工事を実施しました。
施工は慎重に進め、まず既存サイディングを丁寧に撤去し、その後に防水シートを張り直し、新規サイディングを精密に取り付けていきます。
最後にサイディングの目地処理としてシーリングを行い、防水性能を確保しました。
外壁材に採用したニチハの「モエンエクセラード16Vシリーズ コミュカV」は、16mm厚の窯業系サイディングです。
2008年にJIS規格が改訂されるまでは、12mmの窯業系サイディングが普及していましたが、現在では14mmが最低の厚みとなっています。
今回使用する16mm厚のサイディングは、厚みがある分ひび割れが起きにくく、耐火性が上がります。
また、厚みのあるサイディングはデザインも優れ、キューブ柄による上質な意匠性を実現しています。
色はマテレMGクリアホワイトを選択し、繊細で知的なキューブ柄が表情豊かな外観を演出しています。
雨水を適切に排水する重要な役割を持つ縦といや金具も、経年劣化により劣化が見られたため、交換をさせていただきました。
新しい縦といも付帯部と同じ白色で統一することで、建物全体の調和を保つことができます♪
ベランダ内にあるテラス屋根のポリカーボネードも劣化が進行していたため、今回の工事で張替えを実施しました。
ポリカーボネードは優れた採光性と耐衝撃性を持つ素材ですが、紫外線や経年劣化により黄ばみや曇りが生じ、ひび割れなども発生してしまいます。
固定方法も大きく見直し、従来使用されていたプラスチック製のビスから、耐久性に優れたステンレス製ビスへと変更しました。
プラスチック製のビスは経年劣化で割れや劣化が起きやすいですが、ステンレス製に変更することでそのような心配がなくなりました。
ベランダは日常的に使用する場所であり、直接雨や日光にさらされる部分です。そのため、適切な防水処理が非常に重要になります。
今回のベランダ防水工事では、下地のコンクリート面の上からウレタン塗膜防水を施工しました。
ウレタン塗膜防水は、継ぎ目のないシームレスな防水層を形成できる防水工法です。
特にコンクリートの動きに追従する柔軟性があり、ひび割れが生じても破断しにくいという特徴があります。
また、軽量なため建物への負担も少なく、臭いも抑えられた防水工法です。
プライマー(下塗材)塗布後、ウレタン防水材を2層塗布していきます。
仕上げにトップコートを塗布し、完成です!
今回の工事では、外壁塗装をはじめ、サイディングの張替えやウレタン塗膜防水など、複数の大規模な改修工事を実施させていただきました。
爽やかな薄い黄色の外壁に、白で統一した付帯部が映え、明るく清潔感のある外観に仕上がりました。